経理 サポート会計事務所

医療費控除の採決事例

経理サポート会計事務所(新宿区高田馬場)
代表税理士  松野 亮
1974年東京生まれ。
中堅・中小法人の会計・税務の悩みを解決する専門家。
 
医療コンサルティング会社にて、医業(福祉)経営コンサルティングや医療機関・福祉施設などの 業務に従事。多くの案件を成功に導くも、クライアントの経営危機で、力及ばず救うことのできない案件を経験する。これにより、会計税務、法律の知識が必要だと痛感し、税理士を志す。    
 
その後、業界最大手の税理士法人にて、10年以上に渡り、部門責任者として、500社を超えるクライアントの会計・税務業務に従事し、多くの実績を残す。    
  
現在は、経理サポート会計事務所の代表税理士として、「クライアントとは一生涯付き合い、支えていく」ことを信念に、中小法人の人材不足、資金調達、相続・事業承継の悩みを解決するために奔走中。 
 
講演実績
税務、租税法、医療政策、医療経営、医療会計、社会福祉法人会計などをテーマに活動。
いままでの受講者数は累計1万人以上
 
趣味
ワイン、ウイスキー、スキー、スポーツバイク
読書(司馬遼太郎)

確定申告の時期になりました。

私は、この時期になると迷うのが、

医療費控除の取り扱いです。 

最近、処方箋なしで購入した漢方薬につき、

医療費控除該当性について争われた事案を

発見しました。

事実認定での判断となっていますので、

直接参考になるわけではないのですが、

審判所が法令解釈を示していますので、

ご紹介します。 

 

国税不服審判所令和1年522日採決 

法令解釈部分抜粋

「所得税法における医療費控除の制度は、多額の医療費の支出を余儀なくされた場合における担税力の減殺を調整する目的で創設されたものである。そして、現行の医療費控除の制度は、当該控除の対象となる医療費の範囲を、所得税法第73条第2項において、〔1〕医師又は歯科医師による診療又は治療、〔2〕治療又は療養に必要な医薬品の購入及び〔3〕その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の各対価のうち「通常必要であると認められるものとして政令で定めるもの」をいう旨規定し、これを受けて所得税法施行令第207条において、上記〔1〕ないし〔3〕の各対価のうち「その病状等の状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」とする旨限定的に規定し、その限りで担税力の減殺を調整し、もって所得税の公平な負担を図ることとしている。

 このような医療費控除の制度の目的及び内容に照らせば、所得税法施行令第207条の規定の解釈及び適用に当たっては、税負担の公平の本旨に反しないよう、一義的にされるべきであり、法令上、個々の納税者の主観や価値観によって解釈を変更し、その適用範囲を拡大することが許されているとは解されない。

 本件通達は、所得税法施行令第207条第2号に規定する医薬品とは、薬機法第2条第1項に規定する医薬品をいい、同項に規定する医薬品に該当するものであっても、疾病の予防又は健康増進のために供されるものの購入の対価は医療費に該当しない旨定めており、本件通達の定める取扱いは、上記法令の内容に照らしても肯定し得るものであるから、当審判所においてもこれを相当と認める。」

 

つまり、本採決では、

医療費控除での医薬品について

薬機法第2条第1項に規定する

医薬品であるだけでは、足りず 

「治療又は療養に必要な医薬品の購入」

の対価であることを要する 

ということを言っています。

 

 

こちらの採決事例では、事実認定でもって 

漢方薬は、医療費控除に該当しないとの

結論になっています。 

納税者側に「疾病の予防又は健康増進」を

目的としてものではなく 

「治療又は療養に必要な医薬品の購入」

であることの立証を求め、判断が下されています。

 

自分が「治療又は療養に必要な医薬品の購入」と 

考えているだけではダメであり

客観的意思が要求されます。

 少なくても、治療又は療養に必要だと考えられる

間接事実は必要です。

 

「医薬品」だから、という理由で

気軽に医療費控除として申告している方々は 

注意が必要な内容だと思います。

ご参考にされてください。

 

経理サポート会計事務所で一緒に働きたい方、業務を依頼したい方、その他当事務所と接点を持ちたい方、是非ご連絡ください。