同族会社の行為計算否認から見るMS法人の活用

昨日は、MS法人の活用するための

同族会社の行為計算規定の勉強会でした。

1.適用について

同族会社の行為計算否認規程は、

同族会社の行為であるだけで

適用できる訳ではありません。

「純経済人の行為として不合理・不自然な行為・計算」は

所得税法157条1項による「法人の行為又は計算」にあたる

という考え方が通説になっています。

(東京地判昭和40年12月15日、東京地判昭和46年3月30日、浦和地判平成13年2月19日など)

つまり、適用において

純経済人の行為として不合理・不自然な行為・計算は、

通常の経済人として経済合理性を欠くかどうかによって決められるという考え方によります。

同族会社の行為だからと言って、

すぐに税務調査官が否認できる

ということはないのです。

世の中に出回っている書籍で、過剰に脅していたり

逆にリスクを過少に記載しているものがありますが、

要するに、通常の経済人としての経済合理性を考慮して

取引を決めることが重要です。

2.「不当に減少させる」判断

同族会社行為計算否認規程の「不要に減少させる」判断は、税額であり、具体的には、事業者比準により、行われていることが多いです。納税者側が勝った採決事例では、課税庁の比準同業者の合理性が否定された例が見られます。

そのため、同業者と比較されることを意識し、

そこと比べたときにどうか

という観点が必要です。

同業者と実施している事業が全く同一で

利益率のみが高いということでは

確実にやられます。

これらを前提にMS法人を考えると

客観的な事業実態を備え、

比準同業者を意識した事業構造をつくる

ということに尽きます。

それができないと、

税務調査で否認されるということになるので

いいことは全くありません。

現状問題があるならば、すぐ変えるべきです。

さらに、最近見る例として

そもそもMS法人の事業が成り立っておらず

理事長貸付が多額であったり

逆に理事長借入が多額だったり

さらにそれが放置されて膨らみ

多額の税金を払わなければならないなど

大変困る例が見られます。

こうなってからでは、

どうしようもありません。

MS法人は、設立した後は放置されがちです

でも、税金が得になると思って法人作ったのに、

実際には、そのために多額の納税が必要になる

(実際には何もしない方が良かった)なんて

悲しすぎませんか?

そうなる前の対策をお勧めします。

経理サポート会計事務所で一緒に働きたい方、業務を依頼したい方、その他当事務所と接点を持ちたい方、是非ご連絡ください。