勘定科目をどう決めればよいか?

創業間もないお客様から、

勘定科目は、どう決めればよいですか?

と質問されます。

確かに、勘定科目をどうやって決めていいか、

書籍やWEBに書いていないので

私も会計業界入った時期は、困っていました。

ということで、今日は勘定科目について解説します。

ざっくり分かれば原則自由で良い

勘定科目は、第三者から誤解されるような

記載でなければ、なにを使っても原則構いません。

つまり、文房具は、事務用品費なのか消耗品なのか

悩むのは時間の無駄です(最初はやりがちですが)

そのため、自分にとって

分かりやすい決算書ができるように

科目を考えると良いです。

自由ではダメな場合

殆どの法人では、勘定科目は自由なのですが、

勘定科目の使い方が決まっている法人は

決まったルールを守らないといけません。

例えば、社会福祉法人の社会福祉法人会計基準は

法律(省令)によって使用方法が決まっています。

こういった場合には、

そのルールに従って運用する必要があります。

一方、一般事業会社など殆どの法人は、

このような法律が存在しないので、

自由でいいということなのです。

勘定科目の名前をどう決めるか?

基本的には、会計ソフトに標準装備されている名前を

そのまま使用すればよいです。

迷ってしまったら、

・経団連の財務諸表の雛形(会社法)

・中小基準・中小指針の雛形

などを参考に決めればよいと思います。

勘定科目の区分をどうするか?

視点1 管理会計の視点

経営状況の把握のためには、試算表を見るときに

前月比較、前々月比較などと推移情報で

見ることが多くなります。

そうなると、取引のグルーピングが大切です。

・月次比較したい特定の取引先だけ

1つの勘定科目に集める

・同じ性格を持つ取引群を

1つの勘定科目に集める

(例えば、社内向けシステム費用と売上に関連する社外向けシステム費用を2つの科目に分ける)

などとすると、

分かりやすくなるでしょう。

ここで気を付けないといけないのは

ざっくり分けすぎても、

細かく分けすぎてはいけないということです。

仮に勘定科目を1つにしてしまうと、

内訳が見えないため状況が全く分かりませんし、

細かく分けすぎても、分ける手間がかかる上に、

後で見ても細かすぎて良く分からなくなります。

つまり、経営判断ができなくなるということです。

視点2 税務の視点

法人税の計算は、会計の計算と同一ではなく、

会計上の利益から、

会計と税務の差異が発生する部分を

調整して計算する方法になっています。

そのため、会計と税務に差が出る部分を

あらかじめ分けておかないと

税金計算でたいへん手間がかかることになります。

そのため、法人税の計算で影響する

「交際費」などの科目は

税法上の交際費のみを入れておいた方が、

効率的に計算ができるようになります。

また、消費税の計算においても

勘定科目ごとに消費税コードを分けておいた方が

チェックがしやすくなるため、

コード別に分けるべきです。

※消費税については、補助科目で分ける

という手段もあります。

ただ、税務については

経営者が自分で勉強するのは大変ですので

会計事務所にアドバイスをもらって行う方が

うまくいきます。

勘定科目の考え方を私なりに説明してきましたが

本質的には、自宅にある衣類を、

どのようにクリアケース分けて収納するのか?

という問題と殆ど変わりません。

ここをきちんとやらないと、

試算表を見ても良く分からないという結果になるので

最初の決め事が肝心です。

試算表に興味がないという経営者の方は

ここに問題があると思います。

勘定科目は、会計事務所のアドバイスをもらいつつ

経営者本人が見て分かるように決めてから

経理業務を運用することをお勧めします。

経理サポート会計事務所で一緒に働きたい方、業務を依頼したい方、その他当事務所と接点を持ちたい方、是非ご連絡ください。