令和2年度税制改正大綱が公表されました。
今回は、令和2年度税制改正の建物の貸付けに係る用途が明らかにされていない場合の消費税の見直しについて書いていきます。
令和2年度税制改正大綱では、次の改正をすることとされています。
住宅の貸付けに係る契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、当該貸付けの用に供する建物等の状況から人の居住の用に供することが明らかな貸付けについては、消費税を非課税とする。
※令和2年4月1日以後に行われる貸付けにおいて適用されます。
もともと、住宅の貸付の消費税の判定は、契約書でされることになっています。
消費税は、非課税として限定列挙されており、その中の「住宅の貸付」として、「契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られます。」とされていました。
この契約においてというところがポイントです。
【改正前】
契約上、居住用であることが明らか →非課税
契約上、居住用であることが明らかでない場合→課税
これが、今回の改正で
【改正後】
契約上、居住用であることが明らか →非課税
契約上、居住用であることが明らかでない場合には、
実態が居住用であることが明らか →非課税
実態が居住用であることが明らかでない→課税
ということになった訳です。
今回の改正により、契約に居住用であることが記載されていない場合について、自動的に仕入れ税額控除をとることができなくなりました。
私の想像ですが、課税仕入れを取りたいがために
同族会社内や転貸しにおいて
実際には居住用であるのに、
居住用であることを明らかにせずに
曖昧にすることで、課税仕入れをとっている事案が
あったのではないでしょうか。
非課税取引である「住宅の貸付け」に該当するか否かの という判断は「賃貸契約書の記載事項」のみではなく、賃貸借契約書の記載事項及び契約当事者の意思に基づき認定されるべきというのが課税側の考え方」(平成28年9月7日採決、課税庁主張)ですので、従来の運用に、こういった考え方を加えるということだと思います。
いずれにしても、
今後の税務調査においては
こういったケースの場合、
実態が併せて求められることになります。
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