令和2年税制改正で封じられそうな節税スキーム

令和2年税制改正に向けて、

自民党税制調査会が

11月21日から始まりました。

税制改正の方向としては、

日本の財政的観点から

薄く広く徴収する方向に

ならざるを得ないなと

思っています。

なので、ビックリするような

面白い改正はないだろうと思っています。

また、富裕層の海外がらみの取引が

ここしばらく租税回避行為として

国際的問題になっています。

そのため、この2ポイントについては

重点的に、改正はあるでしょう。

私が、興味を持っているのは

上記以外で、どういった節税スキームが封じられるか?

という点です。

おそらく次の2点に関しては、

メスが入るのではないでしょうか。

1.海外中古不動産を用いた節税スキーム

海外では、国内よりも、建物の価値の割合が高いことを背景にして、耐用年数に簡便法を適用することで、多額の償却費を計上し、節税するスキームです。おそらく、簡便法により算出した耐用年数に基づく減価償却費の経費計上を認めないこととする改正が実施されるのではないでしょうか。

最近、富裕層が海外不動産の購入を進める話題は多く

この業界に特化している会計事務所の急拡大が見られる程です。

私の個人的な意見ですが、制度的な歪みで、

海外に財産が移転してしまうというのは

望ましいことではなく、

税制改正で手当てすべきだと思います。

2.金取引を多用した居住用賃貸建物の消費税の還付スキーム

多量の金地金取引を利用して、意図的に課税売上割合を高めることによって、居住用不動産の取得にかかる消費税の還付をするというスキームです。

こちらについては、以前、国税庁が「課税売上割合の計算に含めると事業者の事業実態からかい離することとなる場合には,当該資産の譲渡に係る売上高を課税売上割合の計算から除外する。若しくは,事業者が算出した課税売上割合が事業実態からかい離する課税売上割合と認められる場合の事後的否認規定を措置する。」という改正意見を示したと税務通信3549号の報道にありましたので、おそらくそうなっていくのではないでしょうか。

特に2のような節税スキームについての

私の意見ですが、

2については、少なくても税金を圧縮するために

税額の圧縮を目的として本来必要性がないのに、

金の売買を繰り返すというものです。

昔、小学生の頃、私は

スーパーマリオブラザーズにハマっていました。

ここで階段から降りてくるカメを

タイミングよく永遠に踏むことで

マリオが無限増殖してしまうんですよね。

課税売上割合の調整のために、金を売買しまくるのは

まさにこれと同じです。

ただ、スーパーマリオと違うのは

税金は、民主主義国家を支える根幹ですから

こういったことをみんながすると日本が消滅します。

本当にみんなそれでいいんですかね??

私は、他の税理士に比べて

租税法に詳しい自負はあります。

ですが・・・、こういった話については

クライアントの強い希望があれば

考えなくもないですが

いくら適法と言っても、

経済合理性がない

税金の圧縮のみを目的としている方法については

自分からは広めないように心がけています。

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