生命保険は節税になるのか?

生命保険は節税になりますか?

と質問を受けることがあります。

私は、かつて販売されていた

節税をうたった全損の生命保険については、

「なりません!!」

と答えています。

生命保険は、通達の改正で、支払った金額のうち

多くの割合が損金算入できなくなりました。

「節税できないから売れなくて困っています。」

という保険セールスマンの声が

あちこちから聞かれます。

でも、そもそも100%損金になる

生命保険商品であったとしても

決して、税金が得することはありません。

きちんと説明する人は

「利益の繰り延べです」

と言っています。

でも、私はこの意見についても

ちょっとどうなの??

と思っています。

なぜかというと損金算入された保険料は

必ず、解約することになりますが、

その時の返戻金は益金に入ってくるからです。

これに対しては、出口対策すればいいでしょ、

という意見があります。

具体的には、

解約返戻金と退職金のタイミングをぶつければ

収益と費用が相殺されるので、

繰延効果が得られるという意見です。

確かに、その年だけ見れば

解決しているように見えます。

しかし、一般的に企業は

永続的に続いていくものであり、

その次の年に利益が出れば、

その効果はなくなります。

そもそも生命保険は利益が出る企業でないと

利益の繰り延べの意味はありません。

一方で、先日販売停止になった全損の保険は、

このところの低金利の影響もあり

支払った保険料がそのまま戻ることなく

元本が棄損して戻ってきます。

(当たり前です)

したがって、出口対策も含め、

その後の年度もトータルで見れば

元本が棄損する生命保険が得になることは

絶対にないのです。

損をしてでも利益の繰り延べをしたい!

というのであれば、

ニーズはあるのですが・・・

いいですか?

生命保険を使った節税ネタもあるにはありますが

ただ契約しただけで得をするようなものはありません。

十分な計画と時間が必要です。

生命保険を使った節税を知りたければ、

なぜ後継者未定の開業医は個人事業にした方が良いのか?4

を是非読んでみてください。

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