税法で分からないことをどうやって調べるか?

税理士の友人に

税法でわからないことを

どうやって調べるか質問されたので

書いてみました。

私はだいたい次の順番で調べています。

1.WEBで概略を掴む

内容の概略が分からない場合は

同業の税理士が書いているページなど

参考になるのでいくつか見てみます。

ここで、条文番号などを把握します。

分かりやすいWEBページもあり、

速く理解ができるので、

本を読むよりも先に見ています。

ありがたいです。

2.条文・通達の確認

必ず、関係条文・通達を確認します。

このタイミングで

租税法判例六法を確認します。

裁判例が載っているので、便利です。

租税判例六法を見るのは

自分が重要なことを知らないことへの

保険みたいなものです。

有名な租税判例などは

租税判例百選とか税務研究センターの判例集で

知ってるつもりですが

油断してはいけないです。

3.国税庁WEBページ、書籍確認

国税庁WEBページや大蔵財務協会の書籍、

実務問答集、通達逐条解説などを確認します。

書籍では大蔵財務協会のものは

信頼性が高いと言われています。

注意しなくてはいけないのは、

書籍に書いてあることが正しいとは

限らないことです。

間違いもあります。

また、その通り処理したけれども

裁判で負けた事案もたくさんあります。

すぐに信じてはいけません。

複数のもので確認が必要です。

ちなみに、私は、条文番号や

裁判例の表示されていない書籍は、

信頼性に欠けるのでまったくあてにしません。

4.税務通信WEB、T&Aマスター

私は、書籍で調べるのと同時に

税務通信やT&Aマスターで調べています。

だいたい4で概ね決着がつきますが、

まだ、自分の中で納得いかない場合には

さらに5へと続きます。

会計事務所の仕事は、

仕事を始める前にこの段階まで調べてから

始めないといけません。

仕事が遅い人は、わからないまま右往左往し

無駄な時間を過ごしていることが多いです。

5.LEX/DBで調べる

判断基準を掴むために参考となる

裁判例や採決例を確認します。

LEX/DBに記載されている参考評釈も集めて

読むことがあります。

その時は、大崎の税理士会館にある

図書館が便利です。

私は、こちらの特別会員なので、FAXで請求して、

コピーをネコポスで送ってもらっています。

6.租税法系の書籍で調べて考える。

5の段階までいくと

租税法

税法基本講義 

などなどの基本書と合わせて読んで考えます。

場合によっては、税法論文なども読んでどうすればよいか考えます。

あんまりそういうことはありませんが、

考えても分からない場合には

分かりそうな人に相談するということになります。

私の場合は、相談相手になりそうな同業者(租税法が分かっている税理士)、税務訴訟などやっている弁護士、税法学者などに意見を聞いてみることが多いです。

事例がたくさんある事案は

4までで終わりますが、

専門性が高い領域で、かつ、出現頻度が低いと

書籍などには載っていません。

自力で考えるしかありません。

そうなると税法は、法律なので

法律解釈をどうするかにかかってくるんですよね。

なので、租税法の勉強は絶対に不可欠です。

それに、法律解釈と事実認定には幅があるので

自分が分かっていないと

クライアント有利な申告を

することは難しいです。

同業者の税理士の方は

ご参考にしていただければと思います。

経理サポート会計事務所で一緒に働きたい方、業務を依頼したい方、その他当事務所と接点を持ちたい方、是非ご連絡ください。